日常のストレスに潜む罠 ~適応障害の正しい理解と対処法~

こんにちは、心理カウンセラーのaikoです。

本日は、誤解されやすい心の病、「適応障害」について取り上げていきたいと思います。

今これを読んでいらっしゃる皆さんは、どのような方でしょうか。

 
 

適応障害ってなに?と思っている方

 

家族や身近な人が適応障害と診断された方

 

自分自身が適応障害と診断された方

 

自分は適応障害ではないかと思っている方

 
 

いずれにしても、適応障害に関心のある方なのではないかと思います。

 

では、皆さんは「適応障害」について、どれくらいのことをご存知でしょうか。

私の印象ですが、適応障害は間違って理解されていることが多いような気がしています。

そこで、以下の説明は、正しいでしょうか。間違っているでしょうか。

ぜひ一緒に、考えてみてください。
 
 
 

①適応障害はストレスによって引き起こされる。

 

②適応障害になると、うつ病のようになる。

 

③適応障害は一度かかったら治らない。

 

④適応障害に薬は有効である。

 

⑤がんばって環境に適応すれば、適応障害は改善する。

 
 
 
どうでしょう。皆さんは分かりますか?

では、一つ一つみていきましょう。

 
 
 

①適応障害はストレスによって引き起こされる。

 

これは◯です。

 

「学校でいじめられて、学校にいけなくなった」

「職場で人間関係がストレスに感じ、仕事に集中できない」

このような状態の人は、適応障害である可能性があります。

 

適応障害は、外因性(環境要因が大きい)の精神疾患です。

 

WHO(世界保健機構)の作った診断ガイドラインであるICD-10によると、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。

 

ですが、ストレスが原因といわれると、なんだか曖昧ですよね。

 

ある嫌な出来事に対して、受けるストレスは人によって異なると思います。

ある人にはどうということはなくても、ある人にとっては非常に傷つく出来事であったかもしれません。

ある人にはここちの良い環境でも、ある人にはいるだけでも耐え難い環境であったかもしれません。

 

このように、適応障害とは、一人ひとりのものの感じ方やストレス耐性に大きく左右される障害です。

 

ですが断っておきたいのは、これは決して、適応障害になった人に原因があるというわけではありません。

だれしも苦手な分野や限界値はあるものです。

それは人それぞれ違うのですから、もし自分が悪いんだと考えている方がいましたら、そんなことはありません。

自分が限界だと感じ、もうどうにもならないと感じたら、自分を律するのではなく、自分を休ませてあげてください。

 
 
 

②適応障害になると、うつ病のようになる。

 

これは△です。

 

 

適応障害の症状として、うつ病のような症状を呈する場合があります。

しかしうつ病と以前に診断されていた場合は、うつ病(うつ病を含む気分障害)の診断が優先されます。

 

適応障害では、不安・抑うつ・心配・緊張・怒りなどの情動面の症状に加え、攻撃・反社会的な行動を伴う行為面の症状がみられることもあります。

 

適応障害もうつ病も、ストレスがきっかけとなって発症することが多いですが、適応障害は発症の原因となったストレス因がはっきりしているのに比べ、うつ病ではストレス因がはっきりしなくても発症することがあります。

 

またうつ病は一度発症すると、脳機能に障害がでていることもありますので、再発のリスクもあるのに対して、適応障害は原因となっているストレスを取り除ければ症状は改善することが多いです。

 

しかし両者の区別は難しく、適応障害はうつ病の前段階であるとする考え方もあります。

実際に適応障害と診断された人の40%が、5年後にうつ病などの診断名に変更されたというデータがあります。

適応障害はその後の病気への前触れなのかもしれません。

診断された時点で、しっかりと回復に向けて取り組みましょう。

 
 
 

③適応障害は一度かかったら治らない。

 

これは②の中でも触れましたが、✕です。

 

 

ICD-10にも適応障害は「発症は通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて1ヶ月以内であり、ストレスが終結してから6ヶ月以上症状が持続することはない」と書かれています。

つまり、環境が改善されれば、症状は軽快するということです。

そのため、まず大切なことは、本人のさらされているストレス環境の改善です。

 

ただし、環境が改善されず、ストレスが慢性的に存在する場合、症状も慢性化します。

これはうつ病発症のリスクにもつながり、大変危険な状態です。

 
 
 

④適応障害に薬は有効である。

 

これは△です。

 

 

適応障害の改善のために必要なのは、何よりも環境の改善、ストレス因の除去になります。

 

ですが適応障害の症状として、不眠やうつ状態が現れているときは、その症状に対して薬が処方されることがあります。

しかしそれは対処療法的なものですので、根本的な解決にはなりません。

薬物療法を行う場合でも、カウンセリングを並行して行っていくことが望ましいです。
 
 
 

⑤がんばって環境に適応すれば、適応障害は改善する。

 

これは△です。(✕に近いです。)

 

うつ病の人に「がんばれ」と言ってはいけないという話を、聞いたことのある方は多いと思います。

その人のいる環境から日常的にストレスを受け、症状まで出ている状態で、無理にがんばれば逆効果にもなります。

 

では、どうすればいいのでしょうか。

 

繰り返しになりますが、まずはストレスを生む環境を改善したり、ストレス因となるものから離れることが重要です。

 

学校にいけなくなった方ならば、担任の先生などと話し合って環境を整えてもらいましょう。

会社にいけなくなった方ならば、しばらく休職して心を休め、転職を視野にいれてもいいかもしれません。

 

しかし環境が変わらなかったり、転職できなかったり、ストレス因が近くにありすぎる(家族がストレス因になっているなど)場合は、それも難しいかもしれません。

 

そんな方には、自分自身を変えることもひとつの方法になると思います。

 

苦手なものや限界値は人それぞれ違う、ということは前述した通りですが、その苦手や限界値を、少し変える努力をしてみてもいいかもしれません。

 

これは自分一人ではなかなか難しいことだと思います。

 

このようなお悩みには、認知行動療法という心理療法でのアプローチが非常に有効です。

 

認知行動療法では、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、自分のものの考え方や受け止め方を少しずつ広げていく作業を行っていきます。

心理カウンセラー(あるいは精神科医)と協同して行っていき、自分の思考のくせを知り、いつもの思考パターンを変化させていきます。

自分一人で行うのではないので、無理をし過ぎることもないですし、適切な助言を受けながら安心して取り組むことができます。

 
 
 
回答は以上になりますが、どうでしょうか。

皆さん、適応障害のことを、この記事を読む前よりは、理解できるようになったのではないでしょうか。

 

適応障害は薬物治療がメインとなるわけではありませんので、当院のようなカウンセリングルームが大きく役立てると思います。

 

最後にご提案した認知行動療法は、当院にも専門のカウンセラーが在籍しておりますので、ぜひご相談にいらして下さい。

きっとお力になれると思います。
 
 
 
心理カウンセラー aiko

ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」

〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目26-7名駅UFビル9F

TEL:052-446-5085

~~~~~

※「適応障害」はいささか濫用気味の診断名です。

よって、自称「適応障害」は鵜呑みにできないことが少なくありません。

しかし一方で、環境や相手にうまく適応できないのはもっぱら自分のせいだとして、
自分を追い詰めていってしまう方にもよく遭遇します。

このような方のなかには、先述した「発達障害」の方が多い印象を受けます。

彼らは、”空気が読めない”のではなく”空気を読みすぎて身動きがとれない”のです。

自分が「適応障害」なのではないかと思い悩まれている方、とりあえずは専門家のもとに行ってみられてはいかがでしょうか。

無駄に苦しむことが減らせるかもしれません。

また、私はよくクライアントさんに「自分を変えることは難しくてもできるかもしれないが、他人を変えることはほとんど不可能である」とお伝えしています。

aiko先生が先に触れられた「認知行動療法」は自らを変える有力な方法の一つですが、それ以外にもいろいろな技法があります。

しかし、他人(および、その集合体である環境)はなかなかどうにもならない。

「適応障害」の克服においては、こういった”この世のことわり”を知ることが大前提になります。

ものごとの流れに逆らわず、苦手な人はうまくかわし、ただ揺蕩う。

そのようにうまく処世するための方法を模索し案出するために、心理カウンセラーとの対話は有効です。

気になるあなた。
一度当院におもむかれてはいかがでしょうか。
(まずはお電話を!052-446-5085)

熊木徹夫(ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」代表・精神科医)