発達障害は“治療”できるのか ~あなたの「生きづらさ」に寄り添うカウンセリングを目指して~

みなさん、こんにちは。

カウンセラーのなるです。

 

今日は、急増する「発達障害」について、お子さまだけでなく、

発達の偏りを背景とする大人の方の「生きづらさ」に焦点を当てて取り上げてみたいと思います。

(お子さまの発達に関するご相談は、下記HPに詳細がございますのでそちらも併せてご活用ください)

 

1.二次障害としてのうつ病

2014年春、あいち熊木クリニックの臨床知見を受け継いだ「あいち熊木心理カウンセリングルーム」は名駅前に開業致しました。以来、いらっしゃるクライアントの大半が、ギャンブル依存やうつ状態などの症状でお困りの方です。

 

ギャンブル依存症の潜在患者は推定550万人、うつ病では推定1000万人であるとも言われています。

その規模の大きさから深刻な現代病と言えますが、今日は少し視点を変えて、これらの精神疾患の背景に目を向けてみたいと思います。

 

みなさんは、「発達障害」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?

「あるけど、依存症やうつ病が発達障害となんの関係があるの?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。

 

実は、うつ病や依存症の背景に発達障害が隠れていることは珍しくないのです。

発達障害といえば、子ども特有のものというイメージが強く、大人の病とされるうつ病や依存症とは無縁なものと思われやすいかもしれません。

しかし、実際のところ、発達障害は、症状のわかりにくさや本人の能力の高さから、子供時代には見過ごされやすいといった特徴があります。そして就職や結婚といった大人になってからのライフイベントをきっかけに周囲とのズレに本人が気付き、試しに精神科を受信してみたら発達障害だと診断された、というケースが少なくないのです。

大人の発達障害は、気分の変調が激しい、整理整頓が苦手でミスが多いなどといった特性から、近年「生きにくさ」として注目されるようになってきました。子どもの頃からこうした「生きにくさ」を抱え続けていると、ときにうつ状態や摂食障害、ひきこもり、依存症などの精神疾患を発症することがあります。これが、発達障害の二次障害と言われるものです。

発達障害の二次障害として、うつ病や依存症を発症する前に「生きにくさ」について立ち止まって考えてみませんか?

 

 

2.発達障害ってなに?

(1)発達障害とは?

そもそも「発達障害」という疾患名があるわけではありません。

少し複雑なお話になりますが、これまでの精神科の診断基準では、「広汎性発達障害」のなかに、「自閉性障害(自閉症)」や「アスペルガー障害」という細分化されたサブカテゴリーが存在していました。

つまり、いわゆる「発達障害(=広汎性発達障害)」とは、発達に関わる障害の総称なのです。(※本文でも、発達障害を発達に関わる障害の総称として用いることとします)

さらに、2013年5月には、精神科の診断基準における発達障害のカテゴリーが大きく改訂されました。

 

 

どうしてこのような複雑な分類の問題が起こるのか?

それは、発達障害の特性に関連しています。

 

「アスペルガー障害」や「ADHD」といえば、みなさん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。これらは発達障害の枠組みで扱われる疾患で、個別にその診断基準(有する特性)が定まっています。

しかしながら、実際のところ、ひとつの疾患の診断基準にすべて当てはまる人は少なく、発達障害の診断を受けている人のほとんどが2つ以上の疾患にまたがる特性を有しているといいます。

特に大人の発達障害ではその特徴が顕著で、

特定の疾患に分類するのはナンセンスだと唱える精神科医もいます。

つまり、大人の発達障害を考えるとき、アスペルガー障害やADHDといった、特定の疾患の特徴に当てはまるかどうかという観点だけではなく、「社会生活を送る上で困っていないか?」という視点を持って自分自身や身近な人についてみていく必要があります。

 

 

(2)発達障害の「生きにくさ」とは?

発達障害の主な症状には、以下のようなものがあると言われています。

 

I コミュニケーションの苦手さ:場の空気が読めず、素直に思ったことを口にしてしまう。大勢の人とのコミュニケーションに苦手さを感じてい る。わからないことがあっても人に聞かず、自分の判断で物事を進めてしまい、後で不具合が起こる。

 

II コントロール・管理の苦手さ(生活習慣・お金・時間・食事・整理整頓・提出物など):同時にいくつかの課題をこなすのが苦手。物忘れなど単純なミスが多い。

 

III 感覚過敏:音や光、匂いといった日常生活に溢れた刺激がストレス要因になりやすい。

 

IV 過剰な記憶力:良いことだけでなく嫌な思い出も忘れるということを困難にし、何年も前のネガティブな体験がいつまでたっても鮮明に蘇る。

 

V 興味・関心の幅の狭さ:一度関心を抱いたことには周囲を気にせず没頭する。関心事が趣味の枠を超えて依存に陥りやすい。

 

VI 気分の変わりやすさ:些細な事で気分が変わりやすく、常にイライラしてしまう

 

VII 臨機応変な対応の苦手さ:急な予定変更が感情的に受け入れにくく、現実的な対応もしにくい

 

これらは発達障害の特性であると同時に、現実社会で「生きづらさ」を感じる元であるとも言えます。

 

 

(3)発達障害の原因は?

発達障害は、脳の情報伝達システムになんらかの問題があるために起こることがわかっています。つまり、器質的な問題に起因するものであって、決して本人のやる気のなさや、不注意が原因で問題が起こっているわけではないのです。

また、発症に遺伝的要因が関連しているのではないかという疑問は多くの人々の関心によるところですが、現時点では、「発達障害の発症には遺伝的要因も大きい」という歯切れの悪い結論しか出ていないのが実情です。

ひとつ言えることは、発達障害は上記にあげたような特性の集合体であるということです。そのため、お母さんと赤ちゃんの顔や性格が似ているように、行き過ぎると発達障害の病態を呈すようないくつかの特性が子どもに受け継がれたとしても、なんら不思議ではないのです。

発達障害のお子さんがいらっしゃる方は、その原因を遺伝や子育てに求め、ご自分を責めてしまいがちです。けれども、原因を探ることよりもさらに大切なのは、ありのままのお子さんを受け止めて、これからの対応の仕方や生き方を一緒に考えてあげることなのではないでしょうか?

 

 

3.発達障害と生きるということ

こんな絵本を知っていますか?

 

かっくん -どうして ボクだけ しかくいの?-

k (作: クリスチャン・メルベイユ、絵: ジョス・ゴフィン

 

まんまるばかりの家族に生まれた四角い「かっくん」という男の子のお話です。

かっくんは体が四角いがために、みんなと一緒に遊ぼうと思ってもなかなかうまくいきません。

お友達はみんなまんまるで、かっくんの四角い体ではぶつかってしまいます。

 

 

「どうして ボクだけ しかくいの?」

 

 

かっくんの感じる難しさは、まさに、発達障害の人が抱える「生きにくさ」なのです。

 

「生きにくさ」は“治療”できるものなのでしょうか?

 

私たちは、発達障害とは治療によって矯正するものではなく、共生できるものなのではないかと考えます。

言い換えれば、発達障害の“治療”においては、完全に症状を消すことではなく、

ご本人が発達障害との上手な付き合い方を身に付けることが目指すべきゴールだと思うのです。

 

そのために、大切なことは3つあると言われています。

 

1.発達障害かもしれないと気づくこと

2.自分自身をよく知り、理解すること

3.周囲が理解すること

 

この中で、私たちのようなカウンセリングルームがもっともお力になれるのは、「自分自身をよく知り、理解すること」に関してでしょう。

先に述べたように、複雑な様態を呈す発達障害においては、セルフチェックには限界があります。当院では、専門的な心理検査を実施することによって、一生懸命やっているのにできない、あなたの不器用さがどこからくるものなのか、専門的な観点から見極めるお手伝いを致します。その上で、あなたの得意とする分野の力は伸ばし、苦手なことは、克服しようとするのではなく、上手く避けるような生き方、具体的には、適したお仕事などについても、一緒に考えていきたいと思います。

また、長年発達障害と付き合って来られた方は、日常生活で度々遭遇するネガティブな体験を通して、自己肯定感が低下していることが少なくありません。「あいち熊木心理カウンセリングセンター」では、上記のような現実的なサポートに加え、これまで大変な困難を抱えながらここまでやってこられたクライアントさんの語りに真摯に耳を傾けることを大切にしております。

 

これまで、誰にもわかってもらえないと思っていた苦しみも、ほんの少し、違った角度から眺められるようになるかもしれません。一度、専門のカウンセラーとゆっくりお話してみませんか?

 

 

4.おわりに

情報化社会と言われる昨今、ひとたびインターネットで「発達障害」と入力すれば、たちまち情報の濁流に飲みこまれてしまいます。

あるサイトは、スティーブン・スピルバークや、トム・クルーズといった発達障害をカミングアウトしている芸能人・著名人をリスト化して「天才」と謳い、またあるサイトでは「発達障害は“障害”ではなく“個性”である」という主張が展開されています。

一方で、「発達障害で困っている人がいる以上、“個性”で片付けられる問題ではない」、「一握りの天才を取り上げることが逆効果となって、発達障害への特別視を助長している」と、そうした流れに警鐘を鳴らす主張が飛び交い、発達障害をめぐる議論は日々絶えることがありません。

 

こうした議論の深まりは、社会の関心を引き、周囲の理解を得られやすい環境を創ると言った意味では大変意義のあることだと思います。

しかしながら、発達障害への関心が高まるがあまり、議論や支援が当の本人たちをないがしろにして行われていないでしょうか。

発達障害をどのように捉えているのか。自分を困らせる“障害”だと考えている人もいれば、他人とは違う“個性”と捉えている人がいてもいいのです。それは私たちが外から議論するべきことではなく、当事者の方々に教えてもらうことなのではないでしょうか。その上で、「発達障害」と呼ばれるものと、どのように付き合っていきたいか、どのように付き合っていけるのかをご本人とともに一緒に考えていきたいと思うのです。

 

 

 

 

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子どもたちが迷子になった暗い森で、「かっくん」はみんなのピンチを救います。

しかくいかっくんの身体が光って、ライトの役割を果たすのです。

 

「なんだよ、おまえすごいな!」

 

「いろいろ いるよ。まんまる、ふとっちょ、しかくに おちび。

みんな みんな ちがうけど、みんなで みんなで あそぼうよ」

 

 

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カウンセラー なる

 

 

※当院では、大人から、お子さままで幅広い発達のご相談を受け付けております。

(発達相談の詳細はコチラ⇒ www.dr-kumaki.net/senshi/

 

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※「あいち熊木心理カウンセリングセンター」では、

近頃クローズアップされてきている「大人の発達障害」(広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害など)についても、非常に力を注いでいます。

1:まず、インテーク面接を丁重に行い、

2:ときに、精密検査を行い、

3:それらの結果をベースとして、カウンセリングを行っていきます。

一般に、発達障害というものは、”障害”という言葉の響きから、”発達においてらゆる能力が劣る”というふうに捉えられがちですが、そうとは限りません。

なかには、ある能力が突出していて、それと比較し、別のある能力が見劣りする。
すなわち、能力の多寡に大きな差が見られることが多く、
このバランスの悪さが「生きづらさ」を呼んでいるとも考えられているのです。

それゆえ発達障害のことを、「発達凸凹」と呼んだ方がいいという精神科医もいます。
(『発達障害のいま』杉山 登志郎 (講談社現代新書) )

ともかく、本文を読んで何か思い当たることがあったあなた、
一度「あいち熊木心理カウンセリングセンター」へお気軽にご相談ください。
(TEL:052-446-5085)

なる先生他、あなたの心強い助っ人になれる心理カウンセラーが、お待ちしています。

熊木徹夫
(あいち熊木心理カウンセリングセンター代表・精神科医)
<愛知県名古屋市。名古屋駅から徒歩3分。TEL:052-446-5085
www.dr-kumaki.net/senshi/


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