強迫性障害~とらわれからの解放を目指して~

こんにちは、心理カウンセラー星史朗です。

突然ですが・・・

「あなたは、汚れている気がして始終手を洗うとか、常にものごとを確認するとか、嫌な考えが繰り返し頭に浮かぶといったことがありますか?」

Yesでしょうか?

それともNo?

 

 

 

これは強迫症状を確認するための質問です。

今、「あるある」と思ったあなたは、
強迫性障害という不安症(不安障害)かもしれません。

心の病だとは思わずに、
周囲に相談できず一人で悩んで苦しんでいる方も多いようです。

50人に1人がかかると言われていますが、放っておくとうつ病など他の精神疾患を併発することもあり、早期の発見と治療が大切になってきます。

 

では、強迫性障害について詳しく見ていきましょう。

 

1.強迫性障害の症状

 

強迫性障害とは強迫神経症とも言われるもので、強迫観念にとらわれてと強迫行為が繰り返し続けられる不安障害のことです。

強迫行為を行うことで強迫観念から起こる不安が一時的には軽減するものの、また同じ不安が起こってくるので、さらに強迫行為を行うという悪循環が起こります。

 

○強迫観念とは、望みもしないのに何度も繰り返し思い浮かぶ考えのこと。

自分でもその考えが不合理であることはよくわかっていても、無視することが困難で、強い不安や苦痛を引き起こすこともあります。

「~が気になって仕方がない」という感じですね。

 

○強迫行為とは、強迫観念から起こる不安を打ち消そうとして繰り返す行為のこと。

自分でもバカげていて時間の無駄だと思っていても、同一行為を反復し、自分の意思では止めることができない行為です。

「~しないと気が済まない」といった感じですね。

 

完璧主義や几帳面な人、頑固者などが発症しやすいと言われることもありますが、

強迫性障害の症状と性格は区別することが大切です。

 

*本人が強迫行為をすることに大きな精神的苦痛を感じている

*強迫行為のために、日常生活や人間関係に問題が生じている

 

こういったことが症状のポイントとなります。

では、いくつか特徴的な症状を挙げてみましょう。

 

汚染に関するもの

自分や周りのものが汚染されているように感じられ、何かに触るたび、
強い不安に襲われ、何度も手を洗います。

どんなに手を洗っても、汚れている感覚が消えないため、
繰り返して何時間も洗い続けます。

強化されると、洗浄に時間をとられてやるべき事ができなくなったり、
外出すると汚染されると感じ、出かけることができなくなったり、
生活に支障を生じるようになります。

 

安全確認に関するもの

外出する時などに、ドアに鍵をかけたかどうか、火の元の消し忘れはないか、
不安になり何度も戻って確認行為をします。

さっき確認したことが分かっているのに、また確認することを繰り返します。

自分の行為が完全だったかどうか絶えず疑いを持ち、
確認しないと気が済まないのです。

そのため時間に遅れたり、確認行為に追われ遂には外出できなくなったりといったことが起きてきます。

 

順序や数字に関するもの

洋服を着るときなどに、必ず決められた順序で行わないといけないと考えます。

順番が違うと最初からやり直すため、1つの行為に時間がかかります。

また、特定の数字を吉あるいは不吉と捉えて、
あらゆる行為にその数字を採用したり、

その数字を避けたりするケースもあります。

 

完全性にこだわるもの

身の回りの物の配置が直線的だとか左右対称など、
きっちりしていないと不安になります。

正確さにこだわる場合、本がきちんと読めているかどうか不安で、
何度も同じところを読み返したりもします。

 

加害、危険に関するもの

加害恐怖と言われるもので、包丁やナイフなどが置いてあるだけで、
それを使って人に危害を加えてしまうのではないかと不安に感じたり、
逆に自分が刺されてしまうのではないかと恐怖を感じたりします。

 

2.強迫性障害の原因

 

強迫性障害の半数近くは発症に何らかのきっかけがあるとされています。

人生における大きな節目となるような出来事、例えば、受験や進学、結婚などが発症のきっかけとなることが多いと言われています。

また、火事や災害、大きな事故など恐ろしい体験も引き金になるようです。

一方で、真面目で融通が利きにくい人や、徹底した探求心を持った人が強迫性障害になりやすい傾向があるようですが、近年の研究では性格が高じて発症するとは一概には言えないとされています。

 

3.強迫性障害の有名人

 

強迫性障害の人は、この病気であること自体に劣等感を抱き、周りの人たちに気づかれないようにひた隠しにすることが多いようです。

自分は異常なんだ・・・と、ひとりで孤独に陥りがちな中、

 

自分だけではないんだ!

他にも同じように苦しんでいる人がいるんだ!

 

と安堵感を与えてくる要因のひとつに、有名人のカミングアウトがあります。

 

元イングランド代表のデビット・ベッカムは

「冷蔵庫にペプシコーラの缶を入れるとき、1つ多すぎるとしたら、その缶を戸棚にしまわないと気がすまないんだ。」

「ホテルについても、部屋においてあるリーフレットや雑誌を全部引き出しの中にしまわないとリラックスできないんだ。すべてがパーフェクトじゃないと、ダメなんだ。」

と、強迫性障害であることを2006年に告白しています。

 

奥様のヴィクトリアは、

「飲み物用の冷蔵庫の中身は完璧に左右対称に物が並んでいて、もし何かが3つあれば、夫はそのうちの1つを冷蔵庫から出してしまうのよ。偶数でないと嫌なの。」

と家族としての理解の言葉を添えています。

 

他にも、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔も自伝本の中で
強迫性障害での苦しみをカミングアウトしています。

周囲の人に伝えることで理解が得られ、
家庭生活や仕事がしやすくなるかもしれませんね。

 

4.強迫性障害の治療

 

強迫性障害の治療をめぐる状況は、ここ数十年で大きく前進しています。

適切な治療を行えば、回復が期待でき普通に社会生活を送ることは十分可能です。

 

現在、有効だとされている治療法に認知行動療法があります。

強迫性障害の治療で主に使われるのは、
暴露反応妨害法(ばくろはんのうぼうがいほう)という方法になります。

これは、不安・恐怖の対象に敢えて自分をさらし(暴露)てから、
不安を打ち消すために行っていた強迫行為を、反応妨害によって抑制するものです。

不安や恐怖の低いものから段階的に進めていき、強迫行為をしなくても不安や恐怖がなくなることを実感していくことで、強迫観念と強迫行為の悪循環を断ち切っていく方法です。

 

強迫性障害は症状の特徴や程度が人によりさまざまですので、
治療の効果も人によって違ってきます。

カウンセリングルーム「戦士の休息」には認知行動療法の専門知識を持ったカウンセラーがおりますので、あなたの症状にあわせた適切な治療内容をご提案させていただくことができます。

いっしょに、焦らずゆっくりと症状を改善していきましょう。

 

心理カウンセラー 星史朗

参考図書:精神科面接マニュアル 張賢徳監訳 (株)メディカル・サイエンス・インターナショナル発行

 

ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」

〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目26-7名駅UFビル9F

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