ひきこもり ~養育者の方へ~

こんにちは、心理カウンセラーkuroです。

 

今回は、近年社会的にも問題視されている、『ひきこもり』について取り上げていきます。

中でも特に、子どもさんが『ひきこもり』になってしまい悩んでいる養育者の方に向けてお話したいと思います。

 

1. 『ひきこもり』に対する考え・イメージ

“自分の子どもが『ひきこもり』になってしまった”

そんな時、あなたにはどんな考えが浮かぶでしょうか?

  「自分の育て方が悪かったのだろうか…」

  「ただ逃げて甘えているだけだ」

  「この子は将来のことを全然考えてないんだ!」

このような様々な考えやイメージは、事実に基づいているものもあれば、一見そう思えても実はそうではない、ということもあるかもしれません。

上に挙げた例は、『ひきこもり』に対してよく抱かれるイメージですが、実はそうではない、ということが多いものです。

では、例について1つずつ見ていきましょう。

 

「自分の育て方が悪かったのだろうか

“この子がひきこもったのは自分のせいだ…”

多くの方が、このように感じた経験があるのではないでしょうか。

確かに、『ひきこもり』の方がいるご家庭を見てみると、夫婦仲が良くない、親子の会話がほとんどない、といった状況が『ひきこもり』の悪循環に影響している場合もあります。

 

ですが、ここで知っていただきたいのは、

今のコミュニケーション方法が『ひきこもり』の悪循環に影響している、という場合はあるかもしれませんが、

ひきこもった原因、責任がすべて養育者の方にある、ということは決してありません。

 

『ひきこもり』の背景はほんとうに様々で、一言に「これのせい」と言うことはできません。

実は、背景に発達障害や統合失調症、不安障害といった精神障害があるということも少なくないのです。

 

また、『ひきこもり』に関して、なぜそうなったかという「原因探し」をするよりも、

これからのコミュニケーション方法を改善する方が効果的です。

どうか、これまで頑張って子どもさんを育ててきたご自身をいたわってあげてください。

 

「ただ逃げて甘えているだけだ」

“学校に行かず、ずっと家にいる”

この言葉だけ聞くと、勉強が嫌で逃げてるのではないか、家で遊んでばかりいてなまけているんだ、といった考えが浮かんでくるかもしれません。

また、ひきこもっているご本人が、人との関わりや苦しさを生む場面を回避している部分もあるでしょう。

 

ですが、ただ「甘え」「なまけ」だと決めてしまう前に、

ご本人は何から逃げているのでしょうか?実は自分たちの知らないところで苦しみを抱えてはいないでしょうか?

 

というのも、先ほど少しお話ししましたが、

『ひきこもり』の背景として、ご本人が発達障害や統合失調症、不安障害、睡眠障害といった精神障害を抱えている場合があります。

つまり、「生きにくさ」を色々と抱えているのだけど、周りの人はそれを知らないので、理解されず、どんなに努力してもうまくいかない。そんな経験が積み重なって、自分に自信をもてなくなってしまったのかもしれません。また、相談したくても、どう伝えたらいいのか分からず、ずっと1人で抱え込んでいたのかもしれません。

 

ひきこもってもいい理由を探すのではありません。

ですが、ご本人がどうしてひきこもらざるを得なかったのか、今何を思っているのかなど、ご本人の気もちを理解しようとすることはとても大切なことです。

 

「この子は将来のことを全然考えてないんだ!」

この言葉の背景にはどんな思いがあるのでしょうか。

この子は将来自分で生きていけるのだろうか、自分がこれだけ子どものことを考えて子どものために何かしようとしているのにどうして反応してくれないのか・・・

子どもや自分たちの将来に対する不安や心配、努力しても報われない悔しさや無力感など、様々な思いがあふれていることでしょう。

 

では、ご本人はどうでしょうか?本当に将来のことを考えていないのでしょうか?

実際は、ひきこもっているご本人も、将来に対して不安を抱いていたり、なんとか今の状況から抜け出したいと考えている方はたくさんいます。

 

ですが、先ほど少しお話したように、ひきこもっている方は、深刻なほど自信を失っていて、体力も落ちてしまっているので、“頑張るための力”がない状態です。

 

この状態から抜け出すためには、まずご本人が自信を取り戻していくことが必要です。

そのためにはまず、ご本人が、“できた”と思えるようなポジティブな体験をしていくことから始める必要があります。

 

これは、子どもさんを甘やかすこととは違います。

誤解されやすいのですが、『ひきこもり』というのは、確かにつらい体験や苦しい体験(ネガティブな体験)を回避していますが、楽しい(ポジティブな体験)からひきこもっているのではありません。

 

何も体験していない、言わば“無の状態”です。

 

こうなってしまうと、もう、頑張ればできるというものではないのです。

 

子どものために何でもしてあげる、今の状態でいいよ、と甘やかすわけではなく、

“頑張るための力”をつけるために、まずは少しずつ、

ご本人が“できた”と思えるようなことはないか、探してみてください。

 

2. 医療機関、相談機関へつなげる

『ひきこもり』というのは、ご本人の問題だけではなく、家族全体が巻き込まれていることがほとんどです。

また、何度かお話したように、背景に発達障害や統合失調症など精神障害がある場合もあります。

そのため、ご本人が医療機関や相談機関に行くことは、『ひきこもり』状態を脱するために必要不可欠なことです。

 

ですが、そもそも人に会うことが怖い、外に出ることができないという方が多いと思います。

このような場合、ご本人を無理やり連れ出すのはいい方法とは言えません。

 

そのため、まずは養育者の方に相談機関に行っていただくのが良いでしょう。

これは、ご本人を医療・相談機関につなげるという目的がありますが、

何よりも、養育者であるあなた自身が、親としての“自信”を取り戻し、“ゆとり”のある生活を送れるようになることも目的としています。

 

ご家族の方の負担を軽減すること、家族関係を改善すること、ご本人を医療・相談機関につなげること。

この3つを目的とした『CRAFT』というプログラムが提唱されています。

『CRAFT』は厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」で家族支援として取り上げられています。

 

カウンセリングルーム「戦士の休息」でも、『CRAFT』をもとに、ご家族の方が『ひきこもり』に対する理解を深め、『ひきこもり』となったご本人とのコミュニケーション方法を学ぶことで、“ゆとり”をもってご本人と関わることができることを目指しています。

あなたがこれまで抱えてきた苦悩が少しでも軽減されるよう、お手伝いいたします。

 

心理カウンセラーkuro

 

ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」

〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目26-7名駅UFビル9F

TEL:052-446-5085

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※ひきこもりについては、まるで蟻地獄に落ちていくような”這い上がれぬ苦しみ”が、
当事者の方および家族双方に見受けられます。
きっかけはほんの些細なことであったのに、いろいろな要因が降り積もり、
いよいよ出られないと自覚されたところで、何ともならない。

 

また、外に踏み出ることが困難であるため、有効な社会資源からの援助を受けられないことが多い。
ひきこもり臨床で大切なことは、kuro先生の指摘にもある通り、
「原因を遡及すると、不毛な議論になり、ますます泥沼にはまる」と認識しておくことです。
直接、当事者を救済することが難しければ、脇で支える人をまず救う。
これは迂遠なようでいて、一番有効確実な手段です。
お困りのご家族(養育者の方)、一度当院にお電話(052-446-5085)いただけませんか。
からまってしまった糸くずの固まりから、何らかの糸口を見つけ出すことができるかもしれません。

 

熊木徹夫(ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」代表・精神科医)


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