ギャンブル依存症は誰のせい?~「カジノ法案」成立に向けたギャンブル依存症原因論に対する一考察~

皆さんこんにちは!心理カウンセラーのNicoです。

先週末は名古屋医専スパイラルタワーズで行われた中日健康フェアにて、「ギャンブル依存症」について講演してきました。
ご来場者の方々の真剣な表情から、ギャンブル依存症が当事者やご家族にとっていかに深刻な問題かを改めて実感させられた2日間でした。
ご来場いただいた方々には、改めて御礼申し上げます。

 

さて、今回も引き続き、カジノ法案成立に向けた安倍政権の動きを受け、心理カウンセラーの視点から考えていこうと思います。

 二〇二〇年に東京五輪・パラリンピックが開催されるまでに、統合型リゾート(IR)を整備する-。自民党などが議員提出したカジノ法案は、国際会議場や宿泊施設、レクリエーション施設などにカジノが一体となった複合観光施設をつくることをめざしている。安倍晋三政権の成長戦略の一つという位置付けだ。

(2014年8月22日:中日新聞「社説:カジノ法案 副作用が大きすぎる」)
 

安倍政権の成長戦略の一つとして日本へのカジノ誘致が検討されていますが、
この動きに対し、多くの有識者がギャンブル依存症の増加を懸念しています。

先日発表された厚生労働省の調査では、日本における有病率が成人男性8.6%、成人女性1.4%であることが明らかになりました。
世界のほとんどの国では、1%前後にとどまっている現状と比べると、その差は歴然です。
日本人男性がいかにギャンブル依存症に陥りやすいかがわかりますね。
特に日本は、パチンコ・スロットなど手軽に遊び感覚で始められるギャンブルが身近に多いということが
依存症になりやすい環境を作り出していると言えると思います。

そのような現状の中で、カジノを日本に導入することは更なる依存症の増加や問題の深刻化が予想されます。

一方で、aiko先生が引用されていた記事にもあるように、以下のような意見もあるようです。

依存症の発生に置いて、「ギャンブルにハマル」ことはあくまで病気の「結果」であって、「原因」ではないですよ。(中略)依存症というものは人の中に内在する様々な負の要因が折り重なり、依存対象物に「逃げ場」を求めることで発現するわけで、個別の依存対象物を排除したところで問題は何も解決しません。

(2014年8月19日:Yahoo!ニュース「カジノ合法化で新たな依存症は生まれない」)
 

確かに、ギャンブルに限らずあらゆる依存症は、依存となる対象が原因で発生するわけではありません。
性格的な要因や考え方、ストレス対処方法のパターンなどの個人内要因と、
外的な要因であるギャンブルが複雑に作用し合うことで、依存症は形成されると考えられています。

確かにギャンブルは依存症の「原因」ではないかもしれませんが、「リスク要因」であることには違いありません。

行動心理学では、ギャンブルにハマってしまう心理をこのように説明しています。
私たち人間は、確実に毎回もらえる成功報酬(ご褒美)よりも、たまにしかもらえない方が、もらえたときの快感が大きくなり、その余韻を味わうために、何度も繰り返してしまう、という心理的な性質をもっています。
このような性質は誰しもに当てはまる行動原理であり、依存症になりやすさとは関係ありません。
ギャンブルは、このような人間の心理を利用した巧妙な娯楽であると言えると思います。

ギャンブルと個人内要因のどちらが原因か、という水掛け論を繰り返すよりも、
然るべき方面に然るべき対策が十分に講じられることが必要だと思います。
個々人への心のケアを行き届かせることと同時に、不必要にリスク要因を増やさないことも重要なのではないでしょうか。

引用記事URL:
www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014082202000106.html (中日新聞)

bylines.news.yahoo.co.jp/takashikiso/20140819-00038388/ (Yahoo!ニュース)

 

 

ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」
〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目26-7名駅UFビル9F
TEL:052-446-5085


メンタルヘルス ブログランキングへ