人見知りが激しくて、社内の人とコミュニケーションが上手くとれない~アドラー心理学から考える対人関係~

こんにちは。

カウンセラーのなるです。

 

みなさんはアルフレット・アドラーという心理学者をご存知でしょうか?

最近、ビジネスマンの間でアドラー心理学が“流行っている”という話を耳にしました。

 

アドラーは、心理学の世界では、フロイトやユングと並ぶ有名人なのですが、一般にはそれほど知名度が高いイメージがありませんでした。

ですから、本屋さんで『7つの習慣』や『人を動かす』といった著名な自己啓発本に混じって、アドラーが平積みされていたのには驚きです。

 

心理学を学んでいると、アドラーもフロイトも、実践に結びついていつもそこにあるものですから、時代を超えてある種の思想が「流行る」というのはなんだか不思議な感覚でした。

 

とはいえ、最近になって他の心理学者ではなくアドラーが注目されているということは、そこに、人々の心を捉える何かがあったということなのでしょう。

そんなことを考えながら、私も一読してみました。

 

『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラーの教え」―』

 

とってもキャッチーなタイトルですね。

 

今回はアドラー心理学のポイントに沿って、Aさんの

「人見知りが激しくて、社内の人とのコミュニケーションがとれない」

というお悩みについて考えていきたいと思います。

 

1.「劣等感」を見直す

アドラー心理学では、劣等性と劣等感、劣等コンプレックスを分けて考えます。

●「劣等性」…生まれつき視力が悪いとか、持病を持っているといった客観的事実。

今回の例「人見知りが激しくて、社内の人とのコミュニケーションがとれない」だけでは、Aさんが劣等性を持っているかどうかの判断は付けられません。

●「劣等感」…人と比べて「劣っている」と感じる主観的な感情。

今回の例では、「みんなより人見知りが激しい」、「人よりコミュニケーション力がない」というのが、Aさんの抱く劣等感だと考えられます。

●「劣等コンプレックス」…自分の劣等感を理由に課題から逃げてしまうこと。

「自分は人見知りが激しいから、社内の人とコミュニケーションが取れなくても仕方がない」とAさんが考えているとしたら、それは劣等コンプレックスを抱いている状態だと言えます。

 

アドラーは、劣等感を「健康で正常な努力への成長と刺激」としたのに対し、劣等コンプレックスは、「その人が、人生で取り組まなければならない課題(ライフタスク)から逃げていること」だとし、よくないものであると考えました。

 

誰しも、得意なことがある反面、苦手な事があり、それはときに「劣等感」として重くのしかかるかもしれません。

ですが、劣等性も劣等感も、それだけでその人の人生を決める要因にはならないのです。「劣等感も含めた、ありのままの自分を受け入れた上で、建設的な行動をとるか、非建設的な行動をとるかは自分が決められること」なのだとアドラーは言います。

 

そうは言っても、「では人見知りになったのも、人と上手くコミュニケーションがとれないのも、私のせいなんでしょうか?」と、Aさんにはモヤモヤした反発心が芽生えるかもしれません

 

そこで次のポイントです。

 

2.原因論ではなく、目的論で考える

Aさんは小学生のとき、ご両親の都合で引っ越しが多く、度々転校し、そのたびにクラスメイトの前で自己紹介をさせられた経験があったとします。

「こうした経験が、人見知りやコミュニケーションの苦手さの原因である」と考えることもできるでしょう。これは、「原因論」の考え方です。

 

一方、アドラー心理学では、「目的論」の考え方を重視します。

人見知りや、コミュニケーションが上手く取れない原因を追求するのではなく、現在の目的を探ろうとするのです。

例えば、「人見知りでいることで、やりたくない営業職への抜擢を避けられている」「人とコミュニケーションが上手くとれないことで、苦手な上司とも会話をしなくて済む」といった、その状態であることでのメリットはないか?と探してみるのです。

 

原因論は過去に目を向ける思考なのに対し、目的論は未来に目を向ける思考。

問題となる行動や状態の「目的」がわかれば、その目的を達成するために、より適応的な別の手段を検討することもできるのです。

 

そして、これは他者にも当てはまること。いつも態度がキツくて苦手な同僚のBさんがいるなら、その人が自分に辛く当たる「目的」はなんなんだろう?と考えることで、少し、気が楽になるかもしれません。

 

 

今回は、アドラー心理学のほんの一部を取り出して対人関係の問題を考えてみました。

心理学やカウンセリングというと、「なんだか難しそう」「病気の人を対象とするものじゃないの?」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、心理学には日常生活をより豊かに過ごすためのヒントがいっぱいつまっているのです。

 

「そういう考え方もあるのか」と知っておくだけで、お仕事で困った時や、夫婦仲がうまくいかないなあと感じたときなど、長い人生のどこかで活かせることがあるかもしれません。

 

心理学に触れる方法は、大学や専門学校で学ぶだけではありません。

先ほどご紹介したような本はもちろん、いろいろな相談機関が初心者むけのセミナーを開催していることと思います。

 

当院でも、ちょっとした心理学の知識を活かして、お仕事や子育てを応援するセミナーを開催しております。

お気軽にご参加・お問い合わせくださいね。

 

セミナー詳細はコチラ:www.aikuma-shinri.com/seminar_f01/

 

寒くなってきましたので、みなさま体調にはお気をつけくださいね!

 

参考:

岸見一郎、古賀史健著 『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラーの教え」―』,ダイヤモンド社

 

 

心理カウンセラー なる

 

ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」
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